お盆の迎え方

時代と共に供養のかたちは変化していますが、お盆は地域ごとの風習も含め、今も私たちの暮らしに根づく供養文化のひとつであり続けています。

8月盆の地域では間もなくお盆を迎えますので、改めてお盆の迎え方、特にご新盆のご準備についてまとめてみました。
※主に信州長野県で一般的な形式です。地域やご宗派等によって具体的な内容は異なる場合があります。


盆棚(精霊棚)の準備

盆棚(ぼんだな)は、お盆に帰って来るとされるご先祖様や故人様をお迎えするための棚です。精霊棚(しょうりょうだな)という名称が一般的かもしれません。
地域によって受け継がれている特別な形の棚を改めて購入する場合や、ご葬儀の「後飾り祭壇」を使用する場合があります。長野県内では、幅3尺(約90㎝)で3段の祭壇に装飾用の段掛けをする形が一般的です。基本はご宗派によるお掛軸(名号や十三仏)を掛け、その前に盆棚を設置します。お位牌やお供物、キュウリの馬とナスの牛(精霊馬)などを飾ります。※浄土真宗では、盆棚は使用せず、お仏壇に飾りつけします。
 

お迎え提灯の準備

ご新盆のお宅では、初めて帰る故人様が道中に迷わないよう屋外(玄関や軒先)にお迎え用の提灯を飾ります。弊社地域では「三月灯籠(みつきとうろう)」というものがありますが、白紋天(しろもんてん)と呼ばれる無地の白い吊り下げ型提灯や柄のある提灯を吊るす地域もあるようです。これら提灯は、ご新盆の年だけで、翌年からは使用しないのが一般的です。
また、お墓参りの行き来に使用する、持ち手の付いた弓張提灯(ゆみはりちょうちん)を使用する地域もあります。
 

盆提灯の準備

室内に飾る提灯です。盆棚の前に飾ります。(浄土真宗ではお仏壇の前に。)
基本は1対で飾るのが望ましいのですが、スペース等のご事情で最近は1対でなくても構いません。


新盆見舞いの準備

故人様やご遺族と親しくご縁のある方々が改めて「ご新盆見舞い」にお越しになる場合があります。いつ頃、どの程度のご人数がお見えになるかは不確かです。ご葬儀も行っている弊社の場合は、ご遺族とご相談して、お参りにお越しになった方々への返礼品として返品可能な「お素麺(そうめん)」をご準備いただくことが一般的です。その際は「志」との表書きをします。


新盆法要の準備

ご家族ご親族を中心に「新盆法要」をします。ご自宅で行う場合が多いかと思いますが、お寺様と日時・場所を確認し、お布施・お料理・返礼品の手配をします。※今年は新型コロナウイルスの影響で、「お施餓鬼(おせがき)」の方法も含め、お寺様によって通常と異なる方針が示されているようです。
以上が網羅的なお盆(ご新盆)のご準備についてのご紹介です。弊社の地域信州長野県のやり方を中心にご説明をしましたので、皆様の地域では異なる内容もあろうかと思います。ご宗派によって異なる場合もございます。


引用元:ためになる!?ぶつだんやさんコラム

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